この国のかたち 4

 私見:何故,日本だけが取り残されたか?この10年、日本に特有の現象が原因では?と愚考します。その現象とは、著しい地価の下落です。
 景気が良いとは、お金が沢山世の中を動くことです。そのお金が減ってしまったら、不景気です。お金は日銀をジャブジャブ流していると思われるかも知れません。
でも、お金は日銀券だけではありません。銀行からお金を借りると,通常、借りた人の口座の金額を増やすだけで、日銀券を渡すわけではありません。この銀行口座の増加額が、お金として機能する。つまり、銀行が創出する信用もお金、流通するお金は激減したと思います。
 銀行は、今まで土地を担保として貸し出ししていたのが、地価が値下がりするので、土地を担保としても安心できない。銀行貸出が激減してしまった。
 日銀が、銀行にお金を出しても,銀行が企業にお金を流さない。そこで詰まってしまう。政府は,これは銀行が不良債権を抱えているから、お金が銀行から流れていかないと考えたようです。しかし、それはミス判断です。不良債権の処理に金を使うから、企業に融資しないのでなく、土地でなく事業の将来性を審査して貸付せよと急に言われても、そうしたノウハウを十分持っていない。おまけに,不良債権でこりごりしているから簡単に融資できない。だからお金が流れない。ですから不良債権処理をすすめても融資は増えないと愚考します。土地の値下がりが始まった時,銀行間信用の収縮に対する対策を講ずるべきでしたが,政府も日銀も事態の深刻さに気づかなかったのでは?
 それのみか,金利を下げれば景気は良くなると思ってゼロ金利を続けましたが,グローバル化の経済です。輸出で稼いでいる企業も、日本でお金を運用しても利益が出ないからドルを海外で運用する。日本でお金を調達し外国で運用する外国企業も出てくる。つまり海外で流通するお金を増やしただけ。10年も続いた米国の好景気は日本の低金利が貢献した、と私は思います。
 余談ですが,人口が減り始めれば土地価格は下がります。ですから、いずれ日本
の土地価格は下がり始めたのですが,バブルを起こしたことで日本経済に最悪の衝撃
をもたらしたのです。
 以上,小生の独断と偏見です。