2013-01-01から1年間の記事一覧

2013年の10冊

2013年の10冊 今年読んだ本の中から印象に残った10冊です(今年は厚手の本は読まなかったのですが・・・) 1. 単純な脳 複雑な心 池谷裕二著、講談社ブルーバックス13年9月刊 http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20130929 2. 不完全性定理とは 竹内薫著、講…

若者を見殺しにする日本経済

*[経済と世相] 原田泰さんの新刊が出た。『若者を見殺しにする日本経済』(2013年11月、ちくま新書)です。早速図書館で借りて読みました。 原田さんは、アベノミクスの金融政策を全面的に支持しているようだ。一番興味深い記述は以下です。 【日銀(白川総…

「松本清張と昭和史」

(保坂正康著、平凡社新書、2006年5月刊)を図書館の棚で見つけました。『昭和史発掘』、『日本の黒い霧』の著作で知られる清張は、その中で何を語りたかったか。彼が、『昭和史発掘』の連載を始めたのは、昭和39年7月6日号からで,連載は46年12日号…

『不完全性定理とは何か』(竹内薫著、13年4月刊講談社ブルーバックス)という本

読んで、なるほどと思う文章に出逢いました。 その前に・・ コンピュータが、いわゆるフリーズ状態になった時、コンピュータの計算が無限ループ陥っているのか、あるいは、計算に時間がかかっているだけで、将来は計算が終わるのか、知る方法はあるのでしょ…

東谷 暁さんの新刊

「経済学者の栄光と挫折」(2013年4月朝日新書)を読みました。 東谷さんの本は、以前「エコノミストを格付けする(09年9月)」を読んだことがあります。 金子勝、竹中平蔵、リチャード・ク―など著名なエコノミストを縦横無尽に論じていました。 http://d…

カウントダウン・メルトダウン

『カウントダウン・メルトダウン(下)』(舟橋洋一著、文芸春秋12年12月刊)を図書館で借りてきて読みました。なぜ下巻だけ読んだのかというと、3.11の際に米軍がどう考えどう行動したかを知りたかったからです。(上巻は全電源喪失から自衛隊の放水…

経済学者の集団発狂

「 経済学者の集団発狂」という面白いテーマの論文が、雑誌「新潮45」5月号に掲載されていました。著者は内山節さん。内山さんは1950年生まれの哲学者、大学を卒業せず、独学で哲学を学んだというユニークな経歴の持ち主です。 http://ja.wikipedia.org/w…

強い力と弱い力

「強い力」、「弱い力」の意味がわかりませんでした。物理学では、素粒子に働く力は、電磁気力、強い力、弱い力、重力の4つだ、と聞いたことはありますが、この「強い力」、「弱い力」って何なのかわからなかったのですが、この本、「強い力と弱い力」(大…

楽園のカンヴァス

『楽園のカンヴァス』(原田マハ著、新潮社、12年1月初版、7月7版)という小説を読みました。2012年、第25回山本周五郎賞受賞、第147回直木賞候補の作品です。 実は、この本、雑誌の書評欄で見て、面白そうだと、市の図書館に借りに行ったら、「予…

8.15と3.11

日本が原発を国策とした背景には、冷戦や潜在的核大国たらんとする政治家の思惑があったことは否定できないのではないかと、あらためて参考文献を探してみました。見つけたのが、『8.15と3.11』(笠井潔著、2012年12月刊、NHK出版新書)でした。 …

[]福島第一原発 真相と展望

『福島第一原発 真相と展望』(アーニー・ガンダーセン著、集英社新書、2012年2月刊)を読みました。著者は、1949年生まれの原子力技術者、原子炉の設計、建設、運用、廃炉に携わったという。 読んでみようと思ったのは、原発事故に関する政府や東電の発表は…

時間と自己

『時間と自己』(木村敏著、中公新書、1982年初版、2009年3月25版)を、図書館で探しだし読んでみました。歌人穂村弘が週刊誌の「私の10冊」という欄に、この本を取り上げていたので、「そういう本あるの?」と読んでみる気になったのです。 著者の1931年生…

国力とは何か

「国力とは何か」(中野剛志著、11年7月講談社新書)を読みました。 何故この本を読もうと思ったのか、先に野口悠紀雄さんの著書で「日本が製造業で稼ぐ段階を過ぎている。」という記述を読んだ。野口先生は「日本は製造業で稼ぐ時代を卒業、次は金融業」…

日本を滅ぼす消費税増税

『日本を滅ぼす消費税増税』(菊池英博著、2012年11月刊、講談社現代新書)を読みました。書名からすると、税制の本?と思いますが、日本の経済史として、ハンデイで図表も多く、好著です。 著者の菊池英博さんは、1936年生まれ、「エコノミストは役に…

生きるための経済学

「東大話法」の著者、安富さんは面白い論者だ。他にどんな本を著しているのかと、図書館で検索し『生きるための経済学』(安富歩著、NHK出版08年3月刊)を見つけました。 後書にこんな文が・・・【私が経済学に最初に疑問を抱いたのは、おそらく、中学生…

経済学に何が出来るか

『経済学に何が出来るか』(猪木武徳著、2012年10月刊、中公新書)を読みました。 以下、印象に残った記述です。 マネーサプライは統御できない? 「マネーの定義の難しさ」という一節が面白い。 『「マネーサプライ」というマクロ経済の集計量は、通貨の…

梅棹忠夫

『梅棹忠夫』(山本紀夫著、中公新書2012年11月刊)を図書館で見つけて読んでみました。梅棹さんは、ものの考え方という点で、私が大きな影響を受けた人です。 梅棹さんを知るきっかけ 梅棹さんは、昭和32年、雑誌中央公論2月号に「文明の生態史観序説…