2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

市場機構と経済厚生

「市場機構と経済厚生」(川又邦雄著、創文社現代経済学選書、1991年5月刊)は、こんな本でした。 序説において、筆者はこう述べる。 『「経済学」には「実証的」および「規範的」という二つの視点からの分析が可能である。 実証的経済学の命題は、典型的…

日本経済を襲う二つの波

『日本経済を襲う二つの波』(リチャード・クー著、徳間書店08年6月刊行)を読みました。 先日、為替レートに関する著者の基本的な考え方を知りたくて、初期の著作「投機の円安 実需の円高」(96年1月刊行)を読んだのですが、興味深い記述でした。1…

為替が分かれば世界が分かる

『為替が分かれば世界が分かる』(文芸春秋社)を読む。著者は榊原英資、元大蔵省審議官です。2002年12月の発行だが、本のあとがきにこうあった。 「小泉総理、竹中大臣等が「改革」へのある種の情念を抱いていることはたしかなようだが、その発想、政策形…

投機の円安 実需の円高 2

今日、貿易で必要とされる通貨量の100倍にも及ぶ通貨取引があるという。それでも、為替レートを決めるのは、通貨の実需であって、通貨の投機ではないといえるのか?『一日の為替取引が1兆ドルもあるときに、その5%しかない実需で、全体説明しようとす…

投機の円安 実需の円高

『米国人は貯蓄をしないで放漫な生活をし、その結果、自国で生産するより多くを消費しているから貿易赤字になる。日本人は一所懸命ものを作り、消費を切り詰め、こつこつ貯蓄しているから黒字が出る。米国人はキリギリス、日本人はアリだ。米国人は日本の黒…

投機の円安 実需の円高

修士論文のテーマに関連する文献を探していて、「投機の円安 実需の円高」(リチャード・クー著、東洋経済新報96年1月刊)を見つけました。 96年の刊行ですから、アジヤ通貨危機も9.11テロも、100年に一度の大不況も書かれていません。しかし、為…

経済学の考え方

「経済学の考え方」(宇沢弘文著、岩波新書、89年1月刊)を読みました。 アダム・スミスの項に、こんな文章がありました。 【スミスの『道徳感情論』は、・・・同感という概念を導入し、人間性の本質を明らかにしようとした。人間性のもっとも基本的な表…