2016-01-01から1年間の記事一覧

2016年の印象に残る10冊

早いものでもう年末。新聞の書評蘭が「今年の3冊」など記載しています。 そこで、小生の今年の印象に残る10冊を記載します。(順不同) 1. 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗加藤陽子著 http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20161203 2. それでも日本…

『物理数学の直観的方法』(長沼信一郎著、2011年9月ブルーバック)

市立図書館で借りて読む。1987年に出版されたのをブルーバックから普及版としてだしたものdさが、第2部として「やや長めの後記――直観化はなぜ必要か――」が追加されている。解説として西成活裕さん(渋滞論)が推薦文「直観の天才」を寄せている。「私…

『知の進化郎』(野口悠紀雄著、2016年10月朝日新書)

大学図書館の棚で見つけて借りてきました。私が会社勤めを辞めてもう20年、その間のIE技術の進歩と普及を整理しておきたいと思ったからです。 第3章から第5章まで、インターネットの進歩がもたらした意味を述べます。インターネットを支える技術は、第1…

科学という考え方

池上彰さんがサイエンスを書いている。社会や経済の解説は雑誌のエッセイや、TV解説で目にするが、サイエンスを会扱うのは珍しいと、『はじめてのサイエンス』(nHK新書、2016年10月刊)を大学図書館の棚で見つけて手に取りました。 巻末の参考文…

水軍はるかなり

加藤廣は、経済研究所顧問を経て作家。デビュー以前からビジネス書を著していたが、小説『信長の棺』は日経に連載され、当時の小泉首相が愛読書として挙げたことからベストセラーとなった。2005年に作家としてデビュー。75歳での高齢デビューが話題となった…

日本病

金子勝さん(経済学者)と児玉竜彦さん(医学者)が『日本病』(岩波新書)という本を出した。以前お二人は『逆システム学』(2004、岩波新書)を著し、経済学に生物学の手法を適合させようという野心的な試みをされた。http://d.hatena.ne.jp/snozue/20…

『福岡ハカセの本棚』

(2012年12月、メデイアファクトリー)を見ました。 2011年5月から2012年3月、ジュンク堂池袋本店で開催された「動的書房」を本にしたものです。作家や学者が自分の愛読書をあつめて作る「作家書店」その15代目店長になったハカセはその初…

『ゲノムが語る生命』

(集英社新書2004年11月刊)を読みました。 中村桂子さん、ご存じでしょうか。JT生命誌研究館館長、1936年生まれ(小生と同年)分子生物学者、著書に「自己創出する生命」、「生命誌の世界」など。 かねてから私の尊敬する論客です。 新書本ですが…

『昭和天皇実録の謎を解く』

(2015年3月文春新書、半藤一利、保坂正康、御厨貴、磯田道史著)を読みました。 『昭和天皇実録』が公開されたのは、2014年5月。宮内庁書陵部が編纂しあ禅6巻、12000ページの史料です。これだけの史料を一般人が読み通すことは困難です。そ…

乃至政彦著『戦国の陣形』

(講談社新書、2016年1月刊)を読んだ 。 陣形についての歴史を辿り、川中島、三方が原、関ケ原合戦の虚実を述べた部分が面白い。 川中島合戦は、上杉陣が車輪のようになり、V字型の武田軍を叩いては引く戦法を展開したと言われるが、史料的根拠はない…

『8人との対話』

という本を図書館の棚に見つけて読んでみました。 1993年3月の文藝春秋社の刊です。司馬遼太郎さんが8人の賢者との対話を記録した本で、各章の且出掲載誌と対談者は以下です。 「リアリズムなき日本人」文藝春秋1976年9月号、山本七平 「田中角栄…

『資本主義の極意』

(佐藤優著、NHK新書、16年1月刊) マルクスの「資本論」を通読したいと考えていますが、簡単に通読できる代物ではないので、要点を新書本程度の容量で解説してくれる本はないかとかねてから探していました。恰好の書物を見つけました。それがこの本で…

『雇用身分社会』

『雇用身分社会』(岩波新書、盛岡孝二著、2015年10月)を大学図書館の棚で見つけ、パラパラと立ち読みしました。筆者は関西大学名誉教授。企業社会論を専門とし、大阪過労死問題連絡会会長。 終章「まともな働き方の実現にむけて」が目を惹き、借りて読んで…