歴史小説

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』(NHK出版新書、磯田道史よ、2017年5月)

司馬遼太郎が書き残した昭和日本の失敗の原因を詳述しています。(第4章 「鬼胎の時代」の謎に迫る)。大村益次郎を描いた『花神』を司馬作品の最高傑作と述べている。

鬼神のごとく 黒田叛臣伝葉室麟著新潮社2015年

帯「祝第20回司馬遼太郎賞受賞 <黒田騒動>を舞台に、まことの忠義を描く。 虎視眈々と大名家の取潰しを狙う幕府の次の標的はわが藩だ。 黒田家家老・栗山大膳は「恐れながら、主君忠之に謀反の疑いがある」と、幕府に告発した。 戦う相手は殿でもまして将…

水軍はるかなり

加藤廣は、経済研究所顧問を経て作家。デビュー以前からビジネス書を著していたが、小説『信長の棺』は日経に連載され、当時の小泉首相が愛読書として挙げたことからベストセラーとなった。2005年に作家としてデビュー。75歳での高齢デビューが話題となった…

星火瞬く

先日話題に上った葉室麟の本を図書館で見つけ、借りて読みました。『星火瞬く』(講談社、11年8月刊)です。 安政6年、シーボルトの再来日に同行した彼の息子アレクサンダー・シーボルトが語り部になり幕末の日本を語る小説です。 ロシヤの軍艦ポサドニ…

乾山晩愁

葉室麟著『蜩ノ記』が話題になっていますので、読んでみようかと、県立図書館に行ってみると、やはり貸し出し中で予約も入っているようです。そこで、葉室麟の棚を観たら『乾山晩愁』なる本が目に留まりました。 どうやら葉室麟の処女作らしい。05年10月…

ジパング島発見記

『ジパング島発見記』(山本兼一著、集英社09年7月刊)という小説を読みました。著者は、話題になった「利休にたずねよ」(第140回直木賞)で有名になりましたが、これも同様に面白い趣向になっています。即ち、章毎に語り手が変わって、15〜16世…

司馬遼太郎が書いたこと・・・

『司馬遼太郎が書いたこと、書けなかったこと』(小林達雄著、小学館文庫、10年9月)という本を書店で見つけ衝動買いしてきました。 著者は1952年生まれの脚本家。「もう頬づえはつかない」、「ホワイト・ラブ」などの映画作品があるそうです。詠んでみてと…

親鸞

「親鸞」の小説がしばらく前に話題になりました。来年1月から続編が新聞連載されるそうです。しかし、正直に言えば「悪人尚もて往生す」という親鸞の思想は、よくわかりません。どういう時代背景から出てきたのか?いったい法然の思想と親鸞の思想はどう違う…

『利休にたずねよ』

『利休にたずねよ』(山本兼一著、08年11月PHP刊)を読みました。 この本、第140回直木賞受賞で、半年ほど前、読みたいと思い東図書館で予約したら「現在180人あまり予約者がいます」ということでした。 先日、「ご予約の本が用意できました」と、…

風流武辺 

広島に縮景園という名園がある。名古屋城に二の丸庭園という庭園があります。二つの庭園の共通点は?日本庭園に詳しい方はご存知です。 二つともに、上田宗箇という作庭家の作です。彼は、戦国時代の武将ですが、晩年、作庭家として活躍し、まだ茶道において…

兼好法師の結婚観 

司馬遼太郎さんの小説は、ほとんど読んでいますが、1冊だけ読んでいないのがあった。『箱根の坂』です。で、この盆休みに読んでみようと、図書館で借りてきました。 北条早雲(1432〜1519)を主人公とする小説で、室町から戦国時代への、世の中の動きを活写…

藤沢周平の世界

友人の評判を聞いて「藤沢周平の世界 創刊号」を買ってきて通読しました。 藤沢周平の文章って、とてもリズムが良いのです。 私がリズムが良いというのは、文章を声に出して読む時、息を次ぎたいポイントにくると、必ずそこに句読点がある。作者のリズムと自…

馬上少年過

プールの帰りに図書館をのぞくと、新刊の棚に「司馬遼太郎短編全集12」があった。以前読んだ短編も、読み直してみようと借りてきました。 巻頭に「馬上少年過ぐ」がありました。昭和43年の作で、40年近く前に読んでいますが、あらためて作者の「小説作…

火天の城

「火天の城」という本を読みました。著者は、山本兼一、第11回松本清張賞受賞だそうです。一昨年文芸春秋から出版されて評判になった作品。つい読む機会を逸していたのですが、図書館で見つけて借りてきました。 着想がいいですね。小説の主人公は安土城。…