今年の10冊

 年末が迫り、各新聞の書評欄が、識者の「今年の3冊」などを載せています。そこで、少し欲張って「今年読んだ10冊」を下記します。

●脳はなぜ「心」を作ったか
前野隆司著、ちくま文庫です。
http://d.hatena.ne.jp/snozue/20110201/

●『ヒトラーケインズ』(武田知弘著、10年6月刊祥伝社新書)
http://d.hatena.ne.jp/snozue/20110210
イットラーとケインズの共通点は、目から鱗でした。
●『言葉と脳と心』(講談社新書)、1月の新刊 著者は、山鳥重(あつし)、
http://d.hatena.ne.jp/snozue/20110220
 こうした心の中のイメージ(心像)を整理してくれるのもの、それが言葉です。つまり心は、感情から心像を作り出し、さらに、心像の特殊系として言語心像を作り出した。失語症という病気の患者から、脳の構造、脳が作り出す心の働きと言葉の関係に迫る論を展開した本でした。
●『「通貨」を知れば世界が読める』(浜矩子著、PHP新書、11年6月刊)。
http://d.hatena.ne.jp/snozue/20111028/
「為替介入」は、「藪医者の処方箋」に過ぎない。
TTPもまたアメリカの戦略の一環。米国の輸出を増やそうという仕組みで、日本の輸出を増やそうという仕組みではない。

●『誰が小沢一郎を殺すのか』カレル・ヴァン・ウオルフレン著、角川書店11年3月
http://d.hatena.ne.jp/snozue/20110413
『こうした日本の政治情勢を変革できる可能性を持つ人物を、検察はメデイアとともに、スキャンダルで葬ろうとしている』というのが、ウオルフレンさんが、この本での説くところです。
● 『1970年体制の終焉』という面白い題名の本を読みました。著者は、原田泰さん(東洋経済新報、98年10月刊)です。
http://d.hatena.ne.jp/snozue/20111009
● 『原発と権力』(山岡淳一郎著、11年9月刊ちくま新書
http://d.hatena.ne.jp/snozue/20111021
●『金融が乗っ取る世界経済』(ロナルド・ドーア著、中公新書11年10月刊)を読みました。「あとがき」の問題提起が挑戦的です。
【本書で描いた日本経済のアングロサクソン化は、米国が西太平洋における軍事的覇権国であり、日本と安全保障条約を結んでそこに基地を持ち、その基地を移設しようとする内閣(たとえば鳩山内閣)を倒すくらいの力がある、という事情と密接な関係がある。
● 資本主義はどこへ向かうのか
http://d.hatena.ne.jp/snozue/20110610
「資本主義はどこへ向かうのか」(西部忠著、11年2月刊、NHKブックス
私が最も関心を持ったのは、筆者の「資本主義と貨幣」についての論考。市場をインターネットに比しているところが面白い。つまり「貨幣論」として面白い。
●『「クラウド」超仕事法』野口悠紀雄著、講談社