MS vs Goo

 マイクロソフト(以下MS)とグーグル(以下Goo)を、ネットの「こちら側」と「向こう側」という観点から見てみましょう。
 MSについては、WINDOWSやInternet Explorer、それにWord、Excelでお馴染みですが、よく考えてみると、これらは総て、ネットのこちら側、つまりユーザーのPCにインストールして使うものです。つまり、MSはネットの「こちら側」で儲けています。
 それに対して、Gooの関心はネットの「向こう側」で、収益を得ることです。
 以下、Gooの発想を列記します。

1.「世界中の情報を整理しつくす」という企業理念。
 普通の人が【文章を書く、写真を撮る、音楽を作る、絵を描く、映像を作る。そしてそれをインターネット上に置く。・・・それで何が起るのか。・・「何も起らない」】
 何故なら、それらインターネット上のコンテンツは玉石混交なのです。
【玉石混交の膨大なコンテンツから「玉」を瞬時に選び出す技術が存在しなかったからである。】
 その技術を開発するというのが、この企業理念の意味です。
【そしてそれは、詰まるところ「プロフェッショナルとは何か」・・・という概念を革新する。】
 無名の人であっても、彼の作品がインターネットに置かれると、Gooのシステムが見つけ出してくれて、それが所謂プロの作品を凌駕するとなると、「プロ」の概念は革新されるだろうと言うのです。

2.Gメールの意味すること。
 Gooは、個人がネットの「こちら側」(PCのハードデイスクの中)に保存している電子メールをすべて「向こう側」に移してしまおうと意図しています。
 【検索機能はGooの得意中の得意であるから、ユーザーは過去の電子メールの内容を高速検索できる・・・さらに、スパム(迷惑メール)の除去、ウィルスの駆除といった機能も「向こう側」に用意する。・・・こちら側に情報を貯える現在のスタイルの場合、MSは頻繁にソフトを改善して配布し、私たちはその都度「こちら側」のソフトを書き換えなければならない。しかし、Gooの「あちら側」に情報を置く場合、ウィルス除去やスパム除去など、必要な処理はすべて「あちら側」のプロがやってくれる・・・】

3.Gooは、このGメールでどんな商売を考えているか?
【「個々人の電子メールの内容を自動的に判断し、最適な広告へのリンクを電子メールにしのばせる」というビジネスである。普通の感覚の持ち主ならば、プライバシーの塊たる電子メールにその内容に合った広告が挿入される薄気味悪さを感じ、私信を盗み見られているような嫌悪感を抱く。しかしGooはそう考えない。
「迷惑メールの除去や、ウィルスの駆除のために、電子メールの内容をその判断材料に使う・・・作業は全部コンピュータが自動的にやるんです。そのプロセスに人間は関与させません。】(続く)