中西教授の英語教育論

 K様から、文藝春秋のコピーを頂きました。中西輝政京大教授の「小学生に英語教育は必要か?」でした。
この問題について、私が最も問題だと考えていることは、「幼時の外国語教育が、子供の脳の形成にどのような影響を与えるのか?」について、脳研究者は色々研究はしているようですが、まだ結論が出ていないことです。
 その結論が「幼時の外国語教育が、子供の脳の形成にどのような影響も与えない」ということになるのかも知れません。その場合はよいのですが、若しかしたら,人格の形成に大きな影響を与えるかもしれない。それにより、いびつな性格の人間が多数出来たとしたら、取り返しがつかないからです。
 中西教授はこう言う。【外国語というものは本質、手段に過ぎないのに、うかつに触れると時には人の一生を変えてしまうこともある恐ろしい代物だと思うからである。このことは、年齢が若いほどあてはまる。・・・小学生に英語教育を施す、ということは、うかつに取り組むと多くの日本人の人生を台無しにしてしまうだけでなく、国としての将来にもかかわる危うい試みなのだ、という認識だけは是非持ってほしいのである。】
 先生のこの発言は、私と同じく、子供の脳に与える影響を言っているのだと思います。

 何故、脳への影響を心配するのか?
「人間以外の動物は言語を話せるか?」は、言語学者文化人類学者、脳科学者さらには哲学者も、興味を寄せている課題です。現段階では、どうも動物は言語といえるレベルのコミュニケーシヨンはしていないようなのです。そうなると、人間の脳は、動物の脳とどこが違って、言語を話すのか?
 さらには、人間は後天的に言語を学ぶけれども、言語構造(文法など)は、先天的に理解できるようになっているのでは?という学説も現れ、多くの学者が、この学説を肯定的に受け取っているようなのです。
 このように、脳と言語の関係は、今ホットな学問分野なのですが、先ほど述べたように結論がでていない。結論が出ていないのだから、幼児の外国語教育は、控えるべきと私は考えるのです。
(例えば、韓国語のように日本語と構造が良く似た言語なら、多分幼児教育も問題ないのでは?と私は思いますが、英語や仏語は、日本語とはあまりにも構造が違う。)

 この問題について、以下のHPにも小生の拙文を掲載しています。

http://blog.goo.ne.jp/snozue/e/5891c483a977eca8b7461cee9a8af571