次世代ウェブ グーグルの次のモデル

5月8日のNHKクローズアップ現代はブログを取上げていました。

番組の中で「世界中のブログの3分の1は日本人が書いている」と言う。
日本人の文化的レベルは想像以上に高いのかも?

ゲストに佐々木俊尚さんが登場した。ウェブ関係を得意とするジャーナリストです。

偶々、図書館で佐々木さんの著書『次世代ウェブ グーグルの次のモデル』(光文社新書、07年1月刊)を借りてきていました。

98年、彗星のように登場してきたグーグル。グーグルはいかにして検索エンジンの開発で勝利したか、
そして、グーグルを越えるシステムは、どのようなものかについて述べた本ですが、の本筋よりも、面白く感じられたのは,インターネットが及ぼす社会への影響についての記述です。

「2007年問題」(団塊世代の大量退職)について
【ネットの世界から見れば、大量の団塊ブロガーの登場の可能性としてとらえること
ができる。】
【上流から下流へと、企業がマス媒体などを通じて大量の情報を流し込むモデルは
そろそろ終ろうとしている。・・・

そうした考え方の基底には、おそらく「カネではなくリスペクト」というような
考え方の変化がある。】

この本の中で、インターネットの影響についてこう述べられています。
【たとえば、06年に勃発したタウンミーテイング問題に対する、人々の嫌悪にもつ
ながっているように思える。
 タウンミーテイング問題というのは、06年9月2日の青森県八戸市で開かれた政
府主催の「教育改革タウンミーテイングにおいて、内閣府教育基本法改正法案に賛
成の立場で質問するよう質問項目を用意し、学校やPTAにシナリオ、注意事項など
を配布・依頼していたという問題だ。・・・
 しかし実のところ、90年代までは政府や自治体主催のイベント、行動などでこう
した「やらせ」ほ日常的に行われていた。
 ところが90年代末以降、こうした「やらせ」に対する人々の受け止め方は、劇的
に変わってきた。
「やらせ」への受け止め方というよりは、プロセスがきちんと外部から見えるように
してほしいという透明性の担保への要求が急速に高まってきたのである。
 では何故、可視化への要求が高まったのだろうか。
 仮にプロセスを隠して活動を行おうとしても、インターネット上で匿名の個人に
よって暴露されてしまう。暴露されれば、隠していたこと自体が激しい批判に晒され
てしまうわけで、それらのリスクを回避するために徐々に活動プロセスの可視化が進
んできたというわけだ。これはある意味で、社会のフラット化が起こしたポジテイブな
帰結の一つといえるかもしれない。情報のフラット化が進行した結果、情報を隠密裡
に操作するのは、いまや不可能になってきているのだ。】