いわゆる小泉改革

以下、いわゆる小泉改革について立花さんは語ります。
【私は、小泉首相郵政民営化の基本的発想そのものが根本的に間違っていると思う。
郵政民営化論者の最大の狙いは、なんといっても事業体としての郵政公社を解体し、郵政3事業をバラバラにして、それを民間の事業者に分け与えてしまうことにあるようだ。
 なかんずく、郵貯簡保をバラバラにして、そのもてる資金を民間の金融業者、保険業者に分け与えてしまおうという・・・
郵貯簡保は世界最大の金融事業体である。しかもそれは誰のものか。国民のものである。それは国民が長年にわたって営々と育て上げてきたものである。・・・ これは国民の資産の切り売りどころか投げ捨てに等しい行為だ・・
 これは小泉首相による国家の解体と切り売りなのだ。】
【日本の戦後の経済的成功を支えた国家体制=国家資本主義体制(1940年体制)の根幹部分は、世界最大の銀行たる郵貯などがかき集めた郵政マネーを、国家が中心になって公共事業に投資して回転させていくという行為それ自体によって日本経済の根幹を支えていくという、国家中心の資本主義体制だったわけだ。
 日本の経済力をつぶそうと思ったら、この根幹部分をつぶすほかないと見抜いたアメリカのプレッシャーと、たまたま郵政省と郵政族に深い恨みを持った、ちょっと頭の弱いポピュリスト政治家(小泉首相のこと)の望みと一致してはじまったのが、小泉改革の4年間とその頂点としての郵政民営化大騒動だったということではないのか。】
【確かに小泉改革には大いに評価すべき側面もある。・・・各界利益代表圧力団体が、そろって国家システムから甘い汁を吸いつづけ、腐臭を放つようになった人々が日本のエリート層の中枢には沢山いた。
 その体制の中枢になっていた自民党に対して『自民党をぶっつぶす』と宣言した小泉首相の改革のスローガンには、なるほど国民の共感を呼ぶ部分が少なくなかった。
 しかし、小泉首相は、腐敗しながらも、この国家を基本的に繁栄させてきたこの国のシステムをぶっこわした後、それに代わるどのようなシステムを構築しようとしているのか、それがまるで見えてこない。】
そして
小泉政権の5年間は、一言で要約するなら、徹底的な経世会橋本派)つぶしの5年間だった。】(続く)