憲法9条・イラク戦争・アメリカの時代

憲法第9条があっても、それを極限までねじまげ、ここまでアメリカにコミットした小泉首相は、完全に国を誤ったというべきである。第9条がなかったら、小泉首相はどこまでアメリカに肩入れし、どれだけ日本人の血を流していただろうか。想像するだに恐ろしいものがある。】
【日本が、憲法9条があるために、どれだけ大きな利益を得たかは、冷戦を終わらせることになった1988年の米ソ首脳会談で、レーガンゴルバチョフにいった一言、「もう冷戦は止めよう。我々がこんな無益なことをつづけている間に、日本にいいようにされてしまったではないか、(この前後、日本経済はバブル的大繁栄の頂点にあり、それに対してアメリカもソ連も過大な軍事費ゆえに経済的に破綻しつつあった)」によくあらわれている。
 春秋の筆法をもってするなら、冷戦を終わらせたのは、日本の憲法第9条だった】
憲法9条を改正して、集団的自衛権の行使を認めてしまうと、アメリカによるアメリカのための戦争に、日本人の血を流すことが求められると同時に、アメリカの流出する戦費の肩代わりをもっともっと大きく求められることになる。つまり日本経済もまたアメリカと一緒に、出血を続けることが求められるのである。】
 イラク戦争のそもそもの発端は、石油とドルの問題にあったと愚考しますが、アメリカはイラクで完璧に失敗しました。その現れが最近の原油高。産油国はドルを信用しなくなったから価格を上げた。それに投機筋が提灯をつけて、産油国も困惑するほどの原油高になりました。
 立花さんは言う。【アメリカの資本主義の強さは、世界一安いガソリン価格によって、輸送コストを世界一安くすることができることにある。高速道路網と安いガソロンがある故に、アメリカは国土のすみずみまであらゆる物品の生産基地として有効利用できる、それがアメリカ経済の強さとなっている。】
イラク戦争がはじまってから暫くの間、アメリカ経済は戦争景気効果のおかげで繁栄を続けたが、最近ではマイナス効果のほうが強く出て、先行きの見通しは暗くなっている。
 逃げ足の速い金融資本は、アメリカ経済の先行きの見通しの暗さを先取りして、アメリカ市場からむしろユーロ市場に流れている。これがこのところずっと持続的に続いているドル安、ユーロ高の背景だ。】
 世界史におけるアメリカの時代の終わりが始まったと思います。以上、長くなりました。