愛知県の中央構造線

 話題を変えます。「地質学」の話です。

 図書館で新刊の棚を見ていたら、「愛知県の中央構造線」があった。風媒社から昨年12月刊行の本だ。

 手にとってみると、「おわりに」で、「小学校5年生で柿原喜多朗先生の弟子に」とあり、「謝辞」にはご指導にお礼と、「平賀勝郎先生」の名が記されている。お二人とも故人ですが、小生の高校の恩師です。

 「これは・・」と、著者略歴を見て、著者横山良哲(よこやま・よしあき)氏が高校の教諭で、長篠の医王寺住職であることを知った。医王寺は、長篠合戦で武田勝頼が本陣を置いた寺です。

 「中央構造線って?」と、ページを繰って以下の記述を見る。

【地学を学ぶ者にとって、ランドサットによる日本の衛星写真が発表された時の驚きには大きなものがありました。

 名のある断層の数々が見事に姿を現し、その中でも中央構造線はひときわくっきりと姿を現していました。

 ドイツの地質学者、エドムンド・ナウマンが最初にその存在を指摘した大断層・中央構造線は、赤石山脈の西縁に直線の深い谷を刻み、天竜川と交差して平地をつくり、愛知県では宇連川、豊川と谷をひらき、桜淵(新城市)に佳景を残すと地に潜ります。】

 どうやら、「中央構造線」とは、地殻の太平洋プレートが大陸プレートに衝突して押し上げた地層を言うらしい、と判断した。

 太平洋側を「領家帯」(領家は浜松市水窪の地名)といい、大陸側を「三波川帯」というらしい。

 「板敷川」についても述べている。

【泥石や頁岩の宇連川(豊川の上流)河床(ゆるやかな褶曲が見られる)

 新城市大野の宇連川に見られた地層。江戸時代このあたりの頁岩を採取して硯をつくったため硯川の名もある。

 板を敷いたように見えるため、この周辺を板敷川とも呼んでいた。】

 これって、私の郷里の記述でした。

愛媛県の「伊方原発」も、中央構造線沿いとか。地震に安全な立地を要求すると、日本には原発を立てられる土地はないのかも?

 中央構造線については、以下をご覧ください。

http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/subindex03.htm

余談ですが・・・中央構造線沿いには鉱山が分布する。津具(愛知県北設楽郡)金山の存在が、長篠合戦で、甲府から三河まで武田勝頼が出てきた理由の一つ、という説をこの本は紹介していました。