ぼくらの頭脳の鍛え方

『ぼくらの頭脳の鍛え方』(立花隆佐藤優著、文春新書、09年10月刊)という本を図書館で見つけ読んでみました。

 両者ともに凄い蔵書家で、立花さんは7〜8万冊くらい、佐藤さんは1.5万冊くらいの蔵書を持ち、毎月の本の購入代はほぼ10万円だそうです。その蔵書の中から、それぞれ推薦する100冊と、文庫・新書から推薦する100冊、(合計400冊)のリストをあげて、それについて二人が薀蓄を傾けて語り合うという本です。

 たとえば、戦争に関する本について、

『「信濃!」日本秘密空母の沈没』

【戦艦「信濃」を知っていますか。「大和」、「武蔵」に続く3番艦ですね。戦艦として信濃の建造が始まりましたが、戦局が変化したために航空母艦に作り変えられた。信濃は当時、世界最大の航空母艦でした。横須賀で建造されていたんですが、空襲を避けるため、呉へ向けて出航した。呉海軍工廠で、ぎ装・兵装をすることになっていたが、その途中で沈没。信濃を撃沈したアメリカの潜水艦の艦長だったアメリカ人が、戦争が終わってから、あの船はいったい何だったのだろうと不思議に思って、調べて調べて資料を集めて書いた本なんです。】

立花さんは『ハル回顧録』も推奨しているが、そこにはこういう記述があるそうです。

【「日本政府が午後1時に私に会うように訓令したのは、真珠湾攻撃の数分前に通告を私に手渡すつもりだったのだ。日本大使館は解読に手間取ってまごまごしていた。だが野村は、この指定の時刻の重要性を知っていたのだから、たとえ通告の最初の数行しか出来上がっていないにしても、あとは出来次第持ってくるように大使館員にまかせて、正一時に私に会いに来るべきだった」(日本の暗号をすべて解読していたという話)

ハルにここまで言われて恥ずかしくないのか。】

立花さんのおすすめから

大日本帝国の興亡?〜?』ジョン・トーランド著、ハヤカワ文庫NF

米国ノンフィクシヨン作家の筆になる太平洋戦争史、ピューリッツア賞受賞。1971年

2.26から書き始めているが、自分たちがよく知っているつもりの日本史はアメリカ人の目でみると、このように見えるか!という本だそうです。

佐藤さんおすすめ本から

『米軍再編 日米「秘密交渉」で何があったか』久江雅彦著、講談社現代新書

普天間問題がよくわかるそうです。

 追伸:佐藤優という人は、外務省の裏話に詳しい人なんですね。こんな話がありました。

『昔、赤坂の料亭で、鈴木宗男さんの前で「おしめ換えてくれ」とやる東大卒のキャリヤ官僚がいた。お腹を出すことによって、政治家に無限の忠誠を誓うんです。若い国会議員でも、「先生の前で隠すものはありません」と言って、素っ裸になって、オチンチンを股にはさんで、山本リンダの「困っちゃうな」を歌っている場面を見ました。』