社会と経済

「ミクロ経済学入門の入門」(坂井豊貴著、2017年4月岩波新書)

を読んだ。 ミクロ経済学を数式でなく、グラフで説明している本だ。 ミクロ経済学は、一人一人の消費者や一つ一つの企業といったミクロな経済主体から、マクロな市場やそこでの政策効果を分析する学問である。 現代の標準的な経済学では、どの応用分野もミク…

手入れの思想

養老孟司さんが『手入れの思想』(新潮文庫2013年11月刊)という本を出しました。氏の講演をまとめたものですが、養老節を堪能できる本でした。 最初に養老さんの「人工と自然」観、 人工は人間が設計したものですから、人間の意のままに動かせる。しかし、…

ルポ貧困大国アメリカ

『ルポ貧困大国アメリカ』(堤未果著、08年1月刊、岩波新書)を読みました。 2年前に評判になった本ですが、機会を逸して読んでいなかったのです。期末試験が終わった日、大学の図書館で見つけて借りてきました。 著者は東京生まれ、ニューヨーク州立大…

「ベーシック・インカム」の話

「定額給付金」が話題になっていますが、「ベーシック・インカム」という言葉をご存知でしょうか。 ベーシック・インカムとは、総ての国民の銀行口座に、定期的に国から定額の給付金が振り込まれる制度です。 「失われた年金」が問題になっていますが、今の…

ローマから日本が見える

「ローマから日本が見えるる」(塩野七生著、集英社文庫)を読みました。昔、ロボット博士の故糸川英夫さんが著書で「司馬遼太郎さんと塩野七生さんが素晴らしい」と賞賛していました。司馬さんの素晴らしさは分かりますが、塩野さんはよくわかりませんでし…

「石の肺」を読む

『国は1975年に、アスベストの発ガン性をみとめたうえで、禁止ではなく、法 律で厳しく管理して使用することにしました。 しかし、じっさいの現場では、アスベストの危険などは露ほども知らされておら ず、管理とは名ばかりだったのです。』 この一節が…