2011-01-01から1年間の記事一覧

無名碑

『無名碑』という小説を読みました。曽野綾子さんの昭和44年の作品です。40年以上前の作品で当時話題になったのですが、読む機会を逸していました。先月下旬、愛知県図書館が図書整理で半月休館になり、普段より長く1ヶ月借りられるというので、この機…

パル判事

岩波新書の2月の新刊ですが、中里成章著『パル判事』を読んでみました。東京裁判で、被告の無罪を訴えたインドのパル判事の、生まれと育ちから説き始めて、彼の思想と、東京裁判での彼の主張の妥当性を、比較的公平に分析しています。面白い記述が目につき…

日本経済論

『日本経済論』(松原隆一郎著、NHK出版新書、11年1月刊)を読みました。小泉内閣の登場から民主党政権の経済運営までを論じて、概ね妥当な解説であると感じましたが、欲を言えば、小泉内閣登場時に、こういう解説がほしかった。しかし、小泉内閣の経…

小惑星探査機はやぶさ

『小惑星探査機はやぶさ』(川口淳一郎著、中公新書、10年12月刊)なる書を見つけて読んでみました。以下、その中から面白い話題の紹介です。 これまで、人類の作ったものが地球の引力圏外まで行って着陸し、ふたたび地球に戻ってきたことはない(例えば…

言葉と脳と心

『言葉と脳と心』(講談社新書)という1月の新刊を図書館の書棚に見つけてすぐ借りてきました。「脳、心、言葉」というと、私の最大の関心事ですので、読まずにいられません。 著者は、山鳥重(あつし)、神経心理学、失語症、記憶障害などが専門の医師です…

ルポ貧困大国アメリカ?

『ルポ貧困大国アメリカ?』(堤未果著、岩波新書、10年1月刊)を読みました。 第1章は「公教育が借金地獄に変わる」。学資ローンの重圧に悩む人々のレポートです。かつて、教育はよりキャリヤアップするためのステップであった。いまや学歴を手にしても…

ヒトラーとケインズ

『ヒトラーとケインズ』(武田知弘著、10年6月刊祥伝社新書)という面白いタイトルの本を読みました。 「不況期には、政府が財政出動して有効需要を創出し、失業を減らす」というケインズ理論は、今でも経済学説の重要な一角を占めている。 ヒトラーは、…

脳は何故「心」を作ったのか

先日の直方への旅、新幹線の車中で『脳は何故「心」を作ったのか』(前野隆司著、ちくま文庫)という本を読み終えました。筆者はロボット工学の専門家で、『ロボットに「心」をもたせることは可能か?』を追求した本です。以下は、本の内容紹介と言うより、…

ミトコンドリア

TVを見たら、爆笑問題が、ミトコンドリアを論じていました。ミトコンドリアとは、人間の細胞の中に沢山あって、酸素からエネルギーを作り出しているものです。 先日の九州旅行の新幹線で、『脳はなぜ「心」を作ったのか』(前野隆司著、ちくま文庫、10年1…

消えた宿泊名簿

16日の尾張名古屋は日中の最高気温が0.5℃という寒さ!27年ぶりと気象台は伝えています。27年前に最高気温0.5℃があったかどうか私の記憶にありません。私の記憶の範囲では一番寒い日でした。雪も積雪10センチと伝えられましたが、私の観測(感…

長崎グラバー邸父子2代

グラバー邸と言えば、長崎の観光名所として有名だが、グラバーなる人物はどんな人であったか?『長崎グラバー邸父子2代』(集英社新書、10年9月刊)という本を見つけました。著者は、山口由美。1962年生まれのノンフィクシヨンライターで、箱根富士…