2006-01-01から1年間の記事一覧

100%仮説(つづき)

初日は6時前までの講義、二日目は10時から3時過ぎまでの講義でした。 こんな話がありました。いわゆる「失われた10年」と言われる平成の不況について、 「竹中大臣はその原因を、こう述べている 日本システムの制度疲労 グローバル化への対応不十分 金…

100% 仮説

最近、ベストセラーになっている『99.9%は仮説』(竹内薫著、光文社新書)という本を買い込んで、13日朝7時前の新幹線に乗り込みました。放送大学広島研修センター(旧広大)の面接授業に出席するためです。授業のテーマは「日本経済を考える」。 こ…

『ゴールドラッシュの「超」ビジネスモデル』(続き)

この本の狙いを、あとがきから引用すると、 【日本経済が1990年代以降、大きな困難に直面したことは間違いない。しかし、それに対処して行なわれているさまざまなことが、問題の本質を解決するものか否かについて、私は大きな疑問を抱いている。 必要な…

『ゴールドラッシュの「超」ビジネスモデル』

野口悠紀雄著『ゴールドラッシュの「超」ビジネスモデル』(新潮社05年9月刊)という本を読みました。週刊新潮に04年4月から05年6月まで連載したコラムをまとめたものですが、一寸面白い趣向の本ですから、ご紹介します。 全体は3部に分かれ、第一…

アスベスト問題(続き)

クボタは工場から1kmの範囲の住民にアスベスト被害の補償をするとTVが報道しました。 でも、企業の責任は勿論ありますが、もっと大きな責任は行政にあるのでは?【ILOは86年、「石綿の使用における安全に関する条約」を採択した。日本はこれまで20年…

アスベスト問題

雑誌を見ていたら、スケートの清水宏保選手の話が出ていた。肺活量が2700 ccしかなく、子どもの時ぜんそくで苦労したと言うことだ(この肺活量で世界記録を出すアスリートになったのだから凄い努力家だろう)。 私も、子どもの時から肺活量は小さかっ…

祖国とは国語(続き)

3.大局観と教養 例えば日本の食料を考えてみよう。穀物自給率を見ると、昭和35年に82%だったものが平成9年には28%にまで激減している。ちなみに他の先進国では、その間、フランスが116%から198%、ドイツが62%から118%、日本と同じ…

祖国とは国語

藤原正彦さんの『祖国とは国語』という本を読みました。03年4月講談社から出た本が、今年の1月1日新潮社から文庫(¥420)として出版されたものです。 3部に分かれ、第一部は国語教育絶対論、要するに、小学校の教育は「一に国語、二に国語、三.四…

野口悠紀雄さんの本とホームページ

卒論に取り掛かる前に、データをインターネットで集める手法をチェックしておこうと、「そう言えば、野口悠紀雄さんがその手の本を出していた」と、図書館で著者名で検索しました。「インターネット超活用法2001」(講談社)でした。ホテルやレストランの案内…

グーグルマップスとはてなマップ

この本「ウェブ進化論」(ちくま新書)の著者、梅田望夫氏についてふれて見ます。 1960年生まれ、慶応大工学部卒。東大大学院情報科学科修士。 94年からシリコンバレイ在住。2000年、岡本行夫氏らとベンチャーキャピタル、パシフィカファンド設立…

MS vs Goo

マイクロソフト(以下MS)とグーグル(以下Goo)を、ネットの「こちら側」と「向こう側」という観点から見てみましょう。 MSについては、WINDOWSやInternet Explorer、それにWord、Excelでお馴染みですが、よく考えてみると、これらは総て、ネットのこち…

ネットの「向こう側」と「こちら側」

「ウェブ進化論」(梅田望夫著)という本を読んでいたら、こんな記述がありました。 以下、一寸長くて恐縮ですが、紹介させてください。 【日本の携帯電話とブロードバンドのインフラは、ほぼ世界一の水準にある。 「光ファイバー接続でインターネットを家庭…

ウェブ進化論

私が勤務先を退職してから間もなく10年になる。この間、「失われた10年」という言葉も使われたことがあるが、実際は猛烈な変化のあった時代であったと思う。 例えば、今こうして叩いているEメールという代物、私が現役の頃は、会社の中で使っていたのは…

韓国語と茨城のり子さん

今週の月曜日、教育TVで『脳を鍛える』を見ていたら、こんな面白い話がありました。 「脳と言語」について、川島先生がこう述べていました。「韓国の人たちの中で、英語が第一外国語で、日本語が第二外国語として習ってきた人たちに協力していただいて研究…

韓国語と茨城のり子さん

心の在り処

教育TVの夜10:25からの「知るを楽しむ」、2〜3月の月曜は、東北大学の 川島隆太教授が『脳を鍛える』を語っています。 20日の月曜の講義は、私にとって興味津々でした。【1935年に、ポルトガルのエガス・モニスという神経科の医師が「ロボトミ…

火天の城

「火天の城」という本を読みました。著者は、山本兼一、第11回松本清張賞受賞だそうです。一昨年文芸春秋から出版されて評判になった作品。つい読む機会を逸していたのですが、図書館で見つけて借りてきました。 着想がいいですね。小説の主人公は安土城。…

通貨植民地

「デフレの犯人は誰だった?」で三国陽夫さんの『円デフレ』を紹介しましたが、もう少し簡潔に書いた本はないか、と探してみたら、最近、文春新書から『黒字亡国』なる書を刊行されていました。 三国さんの論旨をもっとも簡潔に述べた部分を同書から紹介しま…

個人美術館へようこそ

『個人美術館へようこそ!』(石川健次著、アートヴィレッジ刊)という本を読みました。毎日新聞日曜版に03年4月〜04年3月連載されたものだそうです。90年代に立てられた美術館が多い。失われた10年も捨てたものではないと思いました。 *印は小生…

デフレの犯人は誰だった?

面白い本がありました。 『円デフレ』三国陽夫・R.T・マーフィー共著、東洋経済新報社、2002年12月刊。 もともとは英語で書かれ、米国のブルッキング研究所から出版された本の日本語版す(その所為か、若干読み辛い点があるのが難点だ)。 90年代…

いのち

寒い日が続きますね。 『いのち』(文春新書)という本を読みました。ノンフィクシヨンライターの最相葉月 さんが、PR誌「遊歩人」に連載した生命科学に関する対談を編集したもの。 (最相さんは生命科学のホームページを主宰されてみえます。 http://home…

憲法9条の裏話

今回は憲法9条の話題。 憲法の改定が話題(特に9条)になっていますが、先日紹介しました「昭和史 忘れ得ぬ証言者たち」に、筆者保阪さんと山田久俊氏(山田久就元駐ソ大使のご子息)との対談が載っていました。山田さんは、総司令部のケイデイス民政局次…

酒は旨いし姉ちゃんは綺麗

「ガン特約保険とがん告知問題」という新聞広告を見ていた。なるほど、特約金を支払うと、本人に「がん」と分かってしまうから問題だ。この記事から、前便で紹介した『昭和史 証言者たち』の中で「がん告知」にふれたものがあったことを思い起こしました。筆…

昭和天皇と酒 

話題を変えましょう。昭和天皇の話。 「昭和天皇はお酒を飲んだのですか」と尋ねた時の話です。 【昭和天皇は酒を一滴も飲まないのは、元老達が一朝事あったときに、明確な決断が出来なくなることを怖れて飲まさなかったためと言われているそうだが、そのた…

「逆システム学」が教えること

生物学における知見は、経済学にも大きな示唆となると、金子先生は言う。 経済学における「市場」も、ある種の生命体と考えることが出来るのではないか。 【資本主義的な市場経済は、富める者をますます富まし、貧しい者をますます貧しくする傾向を持ってい…

ゲノム解読以後に分かったこと

金子勝・児玉龍彦著『逆システム学』(岩波新書)を読んで見ました。興味深い 話がいくつかありましたが、先ず、ゲノム解読後の話題について紹介します。 【 西暦2000年、当時の米国クリントン大統領と英国のブレア首相は、記者会 見で、ヒトゲノムの基…