2014年の10冊

もうクリスマスイブです。今年も一週間を残すのみ。 今年一年いろいろな本を読みました。 印象に残った本10冊をあげてみます。 感想文はすべてブログに載せていますので、そのアドレスを参考のため記載します。1.アベノミクスの終焉 http://blog.goo.ne.jp…

ケインズの逆襲・ハイエクの慧眼

「アベノミクス以外に道はない!」、安倍首相は力説します。経済学的にみて、本当にこの道しかないのか、経済学者の意見を知りたいと新刊書を探してみました。 「ケインズの逆襲・ハイエクの慧眼」(松尾匡著、PHP新書201411月刊)を丸善で見つけ購入しま…

『「骨ストレッチ」ランニング』松村卓著、

講談社α新書2014年5月刊)を読みました。著者は1968年兵庫県出身。スポーツケア生体研究所代表、中京大学体育学部卒。以下は同書から興味を読んだ箇所です。 「野口みずき選手と高橋尚子選手、あえて対比するなら「筋肉を極限までに使ったパワフルな走り」と…

「日本縦断こころ旅」

というテレビ番組がある。火野正平が出演しているNHKBSの番組だが、自転車で全国を旅する。時々『輪行』という言葉が出てくる。最初、私もいm気賀わからなかったが、見ていると「自転車を持って電車で予行することを言うらしいい。いつからそんな言葉…

『経済学の考え方』 

宇沢弘文さんが9月18日世を去った。改めてどんな主張をされた方か、著書を読んでみたいと、図書館から、岩波新書『経済学の考え方』(1989年刊)を借りて読みました。 一言でいえば、宇沢さんの「私選経済学史」でした。 もっとも筆者は「あとがき」で『…

『アベノミクスの終焉』

(服部茂幸著、2014年8月、岩波新書)なる本を読みました。 「アベノミクスを支える経済学的理論も実証的データも存在しない」というのが、この本の湯町です。この本はアベノミクスを総括しているのですが、アベノミクスだけでなく、90年代以降の日本…

『日本劣化論』

(笠井潔、白井聡著、ちくま新書、2014年7月刊) を読みました。著者の笠井さんは、小説家(「オイデイプス症候群」)で評論家(「8.15と3.11」、「永続配線論」など)。だそうです。笠井さんの経歴に惹かれて読んでみました。 何を指して『劣化』というのか…

「日本人の宗教」

を考えてみたいと思いました。 住宅のシニアクラブのウオーキングの企画で、市内の街並みを度々歩きましたが、名古屋市内の街中のいたるところに神社仏閣があるのですね。「日本人は無宗教だ」などと言われますが、こえだけ古くからお寺や神社を立ててお守り…

『指からわかる男の能力と病』

(講談社現代新書、2013年6月刊)を読みました。 Hox遺伝子と言う遺伝子があります。身体を形作る遺伝子で、染色体のある領域に10個ぐらいの遺伝子が並んでいます。 10個程度のHox遺伝子が並んでいる順とそれぞれが形作りを担当する部分が対応してい…

(金子勝・神野直彦著、2012年6月NHK新書)をタイトルに惹かれて読みました。 金子・神野両エコノミストの対談の本です。「失われた10年」が『20年』になり、『30年』になりそうな日本経済に何が起こっているのか、大摑みに分析できています。 第2章…

安保条約の成立

「集団的自衛権」および「沖縄基地問題」の、問題の本質を知るためには、その基礎にある日米安保が、どのような交渉過程で締結されたかを知る必要がある。 6月23日は、「沖縄慰霊の日」。第二次世界大戦の沖縄戦が終了した日だ。この日に因み、基地と日米…

『「失敗」の経済政策史]』

『「失敗」の経済政策史』(川北隆雄著、講談社現代新書、14年6月)を読みました。 著者は、東京新聞を経て専修大学講師。著書に「国売りたもうこと、なかれ」、「官僚たちの縄張り」(新潮社)など。 日本経済の戦後史を敗戦後の傾斜生産から最近のアベノミ…

『サバイバル宗教論』

『サバイバル宗教論』(文春新書、2014年2月刊)という本が出ました。著者は佐藤優さん。2012年、佐藤さんが、臨済宗相国寺派の僧侶を対象に4回の連続講義を本にまとめたものです。 これが面白い。特に第4講「すべては死から始まる」が面白い内容でした。 …

『知の英断』(NHK新書、2014年4月刊)

ジャーナリストの吉成真由美さんhttp://search.seesaa.jp/%E5%90%89%E6%88%90%E7%9C%9F%E7%94%B1%E7%BE%8E/index.html がエルダーズのメンバーにインタヴューした記録を本にしたものです。 エルダーズとは、ネルソンマンデラ氏の提唱で、結成されたグループ…

 『変わった世界 変わらない日本』

(野口由紀雄著、講談社現代新書2014年4月刊)は、経済に関する野口理論の簡潔な解説でした。 まず、現在の世界経済、リーマン・ショックの背景から話が始まる。 アメリカの金利が日本より高くても、為替レートが円高になれば、為替差損が金利収入を帳消し…

『金融緩和の罠』(集英社新書、2013年4月刊)は知的刺激に溢れた本でした。哲学者の菅野稔人さんが3人のエコノミスト(藻谷浩介、河野竜太郎、小野善康)にインタヴューして、今日の経済学の問題を浮き彫りにするという構成の本です。 3人の共通点は、「…

手入れの思想

養老孟司さんが『手入れの思想』(新潮文庫2013年11月刊)という本を出しました。氏の講演をまとめたものですが、養老節を堪能できる本でした。 最初に養老さんの「人工と自然」観、 人工は人間が設計したものですから、人間の意のままに動かせる。しかし、…

2013年の10冊

2013年の10冊 今年読んだ本の中から印象に残った10冊です(今年は厚手の本は読まなかったのですが・・・) 1. 単純な脳 複雑な心 池谷裕二著、講談社ブルーバックス13年9月刊 http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20130929 2. 不完全性定理とは 竹内薫著、講…

若者を見殺しにする日本経済

*[経済と世相] 原田泰さんの新刊が出た。『若者を見殺しにする日本経済』(2013年11月、ちくま新書)です。早速図書館で借りて読みました。 原田さんは、アベノミクスの金融政策を全面的に支持しているようだ。一番興味深い記述は以下です。 【日銀(白川総…

「松本清張と昭和史」

(保坂正康著、平凡社新書、2006年5月刊)を図書館の棚で見つけました。『昭和史発掘』、『日本の黒い霧』の著作で知られる清張は、その中で何を語りたかったか。彼が、『昭和史発掘』の連載を始めたのは、昭和39年7月6日号からで,連載は46年12日号…

『不完全性定理とは何か』(竹内薫著、13年4月刊講談社ブルーバックス)という本

読んで、なるほどと思う文章に出逢いました。 その前に・・ コンピュータが、いわゆるフリーズ状態になった時、コンピュータの計算が無限ループ陥っているのか、あるいは、計算に時間がかかっているだけで、将来は計算が終わるのか、知る方法はあるのでしょ…

東谷 暁さんの新刊

「経済学者の栄光と挫折」(2013年4月朝日新書)を読みました。 東谷さんの本は、以前「エコノミストを格付けする(09年9月)」を読んだことがあります。 金子勝、竹中平蔵、リチャード・ク―など著名なエコノミストを縦横無尽に論じていました。 http://d…

カウントダウン・メルトダウン

『カウントダウン・メルトダウン(下)』(舟橋洋一著、文芸春秋12年12月刊)を図書館で借りてきて読みました。なぜ下巻だけ読んだのかというと、3.11の際に米軍がどう考えどう行動したかを知りたかったからです。(上巻は全電源喪失から自衛隊の放水…

経済学者の集団発狂

「 経済学者の集団発狂」という面白いテーマの論文が、雑誌「新潮45」5月号に掲載されていました。著者は内山節さん。内山さんは1950年生まれの哲学者、大学を卒業せず、独学で哲学を学んだというユニークな経歴の持ち主です。 http://ja.wikipedia.org/w…

強い力と弱い力

「強い力」、「弱い力」の意味がわかりませんでした。物理学では、素粒子に働く力は、電磁気力、強い力、弱い力、重力の4つだ、と聞いたことはありますが、この「強い力」、「弱い力」って何なのかわからなかったのですが、この本、「強い力と弱い力」(大…

楽園のカンヴァス

『楽園のカンヴァス』(原田マハ著、新潮社、12年1月初版、7月7版)という小説を読みました。2012年、第25回山本周五郎賞受賞、第147回直木賞候補の作品です。 実は、この本、雑誌の書評欄で見て、面白そうだと、市の図書館に借りに行ったら、「予…

8.15と3.11

日本が原発を国策とした背景には、冷戦や潜在的核大国たらんとする政治家の思惑があったことは否定できないのではないかと、あらためて参考文献を探してみました。見つけたのが、『8.15と3.11』(笠井潔著、2012年12月刊、NHK出版新書)でした。 …

[]福島第一原発 真相と展望

『福島第一原発 真相と展望』(アーニー・ガンダーセン著、集英社新書、2012年2月刊)を読みました。著者は、1949年生まれの原子力技術者、原子炉の設計、建設、運用、廃炉に携わったという。 読んでみようと思ったのは、原発事故に関する政府や東電の発表は…

時間と自己

『時間と自己』(木村敏著、中公新書、1982年初版、2009年3月25版)を、図書館で探しだし読んでみました。歌人穂村弘が週刊誌の「私の10冊」という欄に、この本を取り上げていたので、「そういう本あるの?」と読んでみる気になったのです。 著者の1931年生…

国力とは何か

「国力とは何か」(中野剛志著、11年7月講談社新書)を読みました。 何故この本を読もうと思ったのか、先に野口悠紀雄さんの著書で「日本が製造業で稼ぐ段階を過ぎている。」という記述を読んだ。野口先生は「日本は製造業で稼ぐ時代を卒業、次は金融業」…